Glossary
用語・解説
相続手続き・相続税に関する基本的な用語と、重要な特例・控除について わかりやすく解説しています。はじめての相続でも安心してお手続きいただけるよう、 ぜひご活用ください。
相続用語集
相続に関する基本的な用語を50音順・カテゴリ別にまとめました
相続の基本
相続
そうぞく
亡くなった方(被相続人)の財産や権利・義務を、法律に基づいて相続人が引き継ぐことです。相続は被相続人が亡くなった時点で自動的に開始されます。
被相続人
ひそうぞくにん
亡くなった方のことです。被相続人が所有していた財産(遺産)が相続の対象となります。
相続人
そうぞくにん
被相続人の財産を引き継ぐ権利を持つ方のことです。配偶者は常に相続人となり、それ以外は子(第1順位)、父母(第2順位)、兄弟姉妹(第3順位)の順で相続人となります。
法定相続人
ほうていそうぞくにん
民法で定められた相続する権利のある方のことです。法定相続人の数は、相続税の基礎控除額の計算に使われる重要な要素です。相続放棄をした方も、基礎控除の計算上は法定相続人に含まれます。
法定相続分
ほうていそうぞくぶん
民法で定められた各相続人の相続割合です。例えば、配偶者と子が相続人の場合、配偶者が1/2、子が残り1/2を均等に分けます。配偶者と父母の場合は配偶者2/3・父母1/3、配偶者と兄弟姉妹の場合は配偶者3/4・兄弟姉妹1/4です。遺産分割協議により、法定相続分とは異なる割合で分けることも可能です。
代襲相続
だいしゅうそうぞく
本来相続人となるべき方(子など)が被相続人より先に亡くなっている場合に、その方の子(被相続人の孫など)が代わりに相続することです。第1順位の代襲は孫・ひ孫と続きますが、兄弟姉妹の代襲は甥・姪までに限られます。
相続開始
そうぞくかいし
被相続人が亡くなった時点のことです。相続税の申告期限や相続放棄の期限など、各種期限はこの相続開始の日を基準に計算されます。
遺留分
いりゅうぶん
法定相続人(兄弟姉妹を除く)に法律で保障された最低限の相続分です。遺言によって遺留分を下回る相続しかできない場合、遺留分侵害額請求によって差額を金銭で請求できます。遺留分は、配偶者・子の場合は法定相続分の1/2、直系尊属のみの場合は法定相続分の1/3です。
特別受益
とくべつじゅえき
相続人が被相続人から生前に受けた贈与や、遺贈によって受けた利益のことです。婚姻・養子縁組のための贈与、生計の資本としての贈与などが該当します。遺産分割の際に考慮され、特別受益を受けた相続人の取り分から差し引かれることがあります。
寄与分
きよぶん
被相続人の財産の維持・増加に特別の寄与をした相続人に認められる取り分の増加分です。例えば、被相続人の事業を無報酬で手伝っていた場合や、介護を長期間行っていた場合などが該当することがあります。
相続財産と評価
相続財産(遺産)
そうぞくざいさん(いさん)
被相続人が亡くなった時点で所有していた財産の総称です。不動産、預貯金、有価証券、自動車、貴金属、事業用資産などのプラスの財産(積極財産)だけでなく、借金や未払い金などのマイナスの財産(消極財産)も含まれます。
遺産総額
いさんそうがく
被相続人の遺産を金額に換算した合計額です。相続税の計算においては、各財産を相続税評価額で評価して算出します。みなし相続財産を加算し、非課税枠や債務控除を差し引いた後の正味の遺産額が、相続税の課税対象となります。
相続税評価額
そうぞくぜいひょうかがく
相続税を計算する際に用いる財産の評価額です。財産の種類ごとに評価方法が定められています。土地は路線価方式または倍率方式、建物は固定資産税評価額、上場株式は相続開始日の終値等の中から最も低い額を採用します。
路線価
ろせんか
国税庁が毎年7月に公表する、主要な道路に面した土地1平方メートルあたりの評価額です。千円単位で表示されます。相続税・贈与税の計算で土地を評価する際に使用します。路線価が定められていない地域では「倍率方式」で評価します。
倍率方式
ばいりつほうしき
路線価が定められていない地域で土地を評価する方法です。固定資産税評価額に、国税庁が地域ごとに定めた倍率を乗じて計算します。
固定資産税評価額
こていしさんぜいひょうかがく
市区町村が算定する不動産の評価額です。固定資産税の計算のほか、相続登記の際の登録免許税の計算にも使われます。3年に一度評価替えが行われます。固定資産税の課税明細書や、市区町村で取得できる評価証明書で確認できます。
みなし相続財産
みなしそうぞくざいさん
民法上は相続財産に含まれませんが、相続税の計算上は相続財産とみなされる財産です。代表的なものに、生命保険金(死亡保険金)と死亡退職金があります。これらは被相続人の死亡によって相続人が受け取るため、経済的には相続と同じ効果があるとして課税対象になります。
名義預金
めいぎよきん
口座名義は配偶者や子などになっていますが、実質的には被相続人のお金である預金のことです。被相続人が資金を出し、管理していた場合などは名義預金と判断され、相続財産に含まれます。税務調査で頻繁に問題となるポイントです。
生前贈与加算
せいぜんぞうよかさん
被相続人が亡くなる前の一定期間内に相続人に行った贈与は、相続財産に加算して相続税を計算するルールです。2024年1月以降の贈与から、この加算期間が従来の3年から段階的に7年に延長されています。
相続時精算課税制度
そうぞくじせいさんかぜいせいど
60歳以上の親・祖父母から18歳以上の子・孫への贈与について、累計2,500万円まで贈与税を非課税にし、相続時に相続財産に加算して精算する制度です。2024年以降は年110万円の基礎控除が新設され、この部分は加算不要となりました。
相続税の計算
相続税
そうぞくぜい
被相続人の遺産を相続した場合にかかる税金です。遺産総額が基礎控除額を超える場合に課税されます。税率は取得金額に応じて10%〜55%の超過累進税率が適用されます。相続開始を知った日の翌日から10ヶ月以内に申告・納付する必要があります。
基礎控除
きそこうじょ
相続税の計算において遺産総額から差し引くことができる金額です。「3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数」で計算されます。例えば、法定相続人が配偶者と子2人の計3人の場合、基礎控除額は4,800万円です。遺産総額がこの金額以下であれば相続税はかかりません。
課税遺産総額
かぜいいさんそうがく
正味の遺産額から基礎控除額を差し引いた金額です。この金額が0以下であれば相続税はかかりません。課税遺産総額を法定相続分で按分し、税率を適用して相続税の総額を算出します。
相続税の税率
そうぞくぜいのぜいりつ
相続税は超過累進税率が適用されます。法定相続分に応じた取得金額が1,000万円以下は10%、3,000万円以下は15%(控除額50万円)、5,000万円以下は20%(控除額200万円)、1億円以下は30%(控除額700万円)、2億円以下は40%(控除額1,700万円)、3億円以下は45%(控除額2,700万円)、6億円以下は50%(控除額4,200万円)、6億円超は55%(控除額7,200万円)です。
2割加算
にわりかさん
被相続人の一親等の血族(子・父母)および配偶者以外の方が遺産を取得した場合に、算出された相続税額に20%を加算するルールです。例えば、兄弟姉妹、甥・姪、孫(代襲相続でない場合)などが該当します。
暦年贈与
れきねんぞうよ
毎年1月1日〜12月31日の1年間に贈与された財産の合計額に対して贈与税が課される通常の贈与のことです。年間110万円の基礎控除があり、110万円以下の贈与には贈与税がかかりません。ただし、相続開始前の一定期間内の贈与は相続財産に加算されます。
相続税の控除・特例
債務控除
さいむこうじょ
被相続人が残した借入金や未払い金などの債務を遺産総額から差し引くことです。住宅ローン(団体信用生命保険で返済されない場合)、未払いの税金(所得税・住民税・固定資産税)、未払いの医療費、事業上の買掛金なども債務控除の対象です。
葬式費用
そうしきひよう
遺産総額から差し引くことができる費用です。通夜・告別式の費用、火葬・埋葬費用、お布施・読経料、遺体の搬送費用などが対象です。一方、香典返し、墓地・墓石の購入費用、初七日以降の法要費用は葬式費用に含まれません。
未成年者控除
みせいねんしゃこうじょ
相続人が18歳未満の場合に適用される税額控除です。「10万円 ×(18歳 − 相続開始時の年齢)」で計算されます。控除額が本人の相続税額を超える場合は、扶養義務者の相続税額から控除できます。
障害者控除
しょうがいしゃこうじょ
相続人が85歳未満の障害者である場合に適用される税額控除です。一般障害者は「10万円 ×(85歳 − 相続開始時の年齢)」、特別障害者は「20万円 ×(85歳 − 相続開始時の年齢)」で計算されます。
相次相続控除
そうじそうぞくこうじょ
10年以内に2回以上の相続が続いた場合に適用される税額控除です。前の相続で課された相続税の一部を、後の相続の相続税額から控除できます。相続が立て続けに起こった場合の二重課税を軽減するための制度です。
贈与税額控除
ぞうよぜいがくこうじょ
生前贈与加算により相続財産に加算された贈与について、すでに支払った贈与税がある場合に、その贈与税額を相続税額から差し引くことです。二重課税を防止するための制度です。
外国税額控除
がいこくぜいがくこうじょ
海外にある財産を相続した場合に、その国で相続税に相当する税金を納めた場合に適用される控除です。外国で課された税額を日本の相続税額から差し引くことで、国際的な二重課税を調整します。
相続手続き
相続登記(不動産の名義変更)
そうぞくとうき
不動産(土地・建物)の所有者が亡くなった場合に、相続人へ名義を変更する登記手続きです。2024年4月から義務化され、相続を知った日から3年以内に行う必要があります。正当な理由なく期限を過ぎると、10万円以下の過料が科される場合があります。
相続税申告
そうぞくぜいしんこく
遺産総額が基礎控除額を超える場合に、税務署に相続税の申告書を提出し、相続税を納める手続きです。相続開始を知った日の翌日から10ヶ月以内に行う必要があります。なお、小規模宅地等の特例や配偶者の税額軽減を使って税額が0円になる場合でも、申告は必要です。
遺産分割協議
いさんぶんかつきょうぎ
相続人全員で、遺産の分け方を話し合って決めることです。法定相続分とは異なる割合で分けることも可能です。相続人全員の合意が必要であり、一人でも合意しない場合は成立しません。合意できない場合は、家庭裁判所の調停や審判を利用することになります。
遺産分割協議書
いさんぶんかつきょうぎしょ
遺産分割協議で合意した内容を書面にまとめたものです。相続人全員が署名し、実印を押印します。不動産の名義変更、預貯金の解約・名義変更、有価証券の名義変更、自動車の名義変更など、各種相続手続きに必要となる重要な書類です。
戸籍謄本(戸籍全部事項証明書)
こせきとうほん
戸籍に記載されている全員の身分事項を証明する書類です。相続手続きでは、被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍を取得して、法定相続人を確定する必要があります。転籍や改製原戸籍なども含め、漏れなく収集することが重要です。
登録免許税
とうろくめんきょぜい
不動産の登記を行う際に国に納める税金です。相続による所有権移転登記の場合、不動産の固定資産税評価額の0.4%が課税されます。例えば、評価額2,000万円の不動産であれば、登録免許税は8万円です。
準確定申告
じゅんかくていしんこく
亡くなった方の所得について、相続人が代わりに行う確定申告です。相続開始を知った日の翌日から4ヶ月以内に行う必要があります。被相続人が自営業者であった場合や、年金以外の所得があった場合、医療費控除を受ける場合などに必要となります。
相続放棄
そうぞくほうき
相続人が相続する権利を家庭裁判所に申述して放棄することです。借金などマイナスの財産がプラスの財産を上回る場合などに行います。相続開始を知った日から3ヶ月以内に家庭裁判所に申述する必要があります。放棄すると、最初から相続人でなかったものとみなされます。
限定承認
げんていしょうにん
相続財産のプラス分の範囲内でのみマイナスの財産(借金など)を引き継ぐ方法です。相続財産の全容が不明な場合に有効ですが、相続人全員で共同して家庭裁判所に申述する必要があり、手続きが複雑なため実際にはあまり利用されていません。
遺言・書類
遺言書
いごんしょ / ゆいごんしょ
被相続人が生前に、自分の財産の分け方などの意思を書面で残したものです。遺言書がある場合は、原則として遺言の内容に従って相続が行われ、遺産分割協議は不要です。主に「自筆証書遺言」「公正証書遺言」「秘密証書遺言」の3種類があります。
自筆証書遺言
じひつしょうしょゆいごん
遺言者が全文(財産目録を除く)・日付・氏名を自分で書き、押印して作成する遺言書です。費用がかからず手軽ですが、形式不備で無効になるリスクがあります。法務局での保管制度を利用すると、検認が不要になります。
公正証書遺言
こうせいしょうしょゆいごん
公証人が遺言者の意思を聞き取って作成する遺言書です。証人2人の立会いが必要で、費用がかかりますが、形式不備で無効になるリスクが低く、原本は公証役場に保管されるため紛失の心配もありません。検認も不要です。
検認
けんにん
自筆証書遺言(法務局保管制度を利用していない場合)を発見した場合に、家庭裁判所で行う手続きです。遺言書の状態を確認し記録するためのもので、遺言の有効・無効を判断するものではありません。検認を行わずに遺言を開封すると5万円以下の過料に処せられることがあります。
登記簿謄本(登記事項証明書)
とうきぼとうほん
不動産の所在地、面積、所有者、抵当権などの権利関係が記録された公的な書類です。法務局の窓口やオンラインで取得できます。相続登記の際、対象不動産の現在の登記状況を確認するために使用します。1通あたり600円(窓口)です。
印鑑証明書
いんかんしょうめいしょ
市区町村に登録された実印の印影を証明する書類です。遺産分割協議書に押印した印が実印であることを証明するために必要です。相続手続きでは相続人全員の印鑑証明書が必要となることが多いです。
住民票の除票
じゅうみんひょうのじょひょう
亡くなった方(被相続人)の住民票です。死亡届の提出により住民票から除かれたものを「除票」と呼びます。被相続人の最後の住所地を証明するために、相続登記などの手続きで必要になります。
法定相続情報証明制度
ほうていそうぞくじょうほうしょうめいせいど
法務局に戸籍書類一式と相続関係図を提出して、法務局が認証した相続関係の一覧図(法定相続情報一覧図)を交付してもらう制度です。この一覧図は各種相続手続きで戸籍謄本の束の代わりに使用でき、手続きの簡略化に役立ちます。
不動産の相続
管轄法務局
かんかつほうむきょく
不動産の登記を管轄する法務局のことです。不動産の所在地によって管轄が決まっています。相続登記は、対象不動産の管轄法務局に申請する必要があります。法務局のウェブサイトで管轄を確認できます。
所有権移転登記
しょゆうけんいてんとうき
不動産の所有者(名義人)を変更する登記のことです。相続による所有権移転登記が「相続登記」です。売買や贈与の場合も所有権移転登記を行いますが、税率が異なります(相続は0.4%、売買は2%など)。
共有名義
きょうゆうめいぎ
1つの不動産を複数の相続人が共同で所有する形態です。遺産分割協議で不動産を共有にする場合がありますが、将来の売却・管理が困難になりやすいため、可能であれば単独名義にすることが推奨されます。
換価分割
かんかぶんかつ
遺産である不動産などを売却して、得られた代金を相続人間で分ける方法です。不動産を相続人の一人が取得するには資金が足りない場合や、公平な分割が難しい場合に利用されます。
代償分割
だいしょうぶんかつ
特定の相続人が遺産を取得する代わりに、他の相続人に代償金(金銭)を支払って調整する分割方法です。例えば、長男が自宅不動産を相続する代わりに、他の兄弟に相当額の金銭を支払うケースなどがあります。
相続登記の義務化
そうぞくとうきのぎむか
2024年4月1日から施行された制度で、不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内に相続登記を申請することが義務づけられました。正当な理由がなく期限を過ぎた場合、10万円以下の過料の対象となります。施行前に発生した相続についても対象です。
特例・控除の詳細解説
相続税の申告で重要となる特例・控除について、要件や注意点を詳しく解説します
小規模宅地等の特例
自宅の土地の評価額を最大80%減額できる制度
制度の概要
小規模宅地等の特例は、被相続人が住んでいた土地(特定居住用宅地等)や、事業に使用していた土地(特定事業用宅地等)、貸し付けていた土地(貸付事業用宅地等)について、一定の面積まで相続税評価額を大幅に減額できる制度です。この特例により、自宅や事業用地を手放さなくても相続税を納められるようにすることを目的としています。
減額割合と限度面積
特定居住用宅地等の主な要件
- 配偶者が取得する場合:無条件で適用可(居住要件・保有要件なし)
- 同居していた親族が取得する場合:相続税の申告期限まで居住し、保有し続けること
- 別居の親族が取得する場合(家なき子特例):被相続人に配偶者がいないこと、同居の法定相続人がいないこと、取得者が相続開始前3年以内に自己または配偶者の所有する家に住んでいないこと、申告期限まで保有し続けること
注意点
- この特例を適用して相続税が0円になる場合でも、相続税の申告は必要です
- 遺産分割協議が申告期限までに成立していない場合は、原則として適用できません(「申告期限後3年以内の分割見込書」を提出することで後日適用可能)
- 相続開始前3年以内に新たに貸付事業を始めた土地は、貸付事業用宅地等の特例の対象外です(一定の場合を除く)
生命保険金の非課税
死亡保険金のうち一定額が相続税の対象外になる制度
制度の概要
被相続人の死亡によって相続人が受け取る生命保険金(死亡保険金)は、「みなし相続財産」として相続税の課税対象になりますが、一定の金額までは非課税となります。生命保険金には遺族の生活保障としての役割があるため、この非課税制度が設けられています。
非課税限度額
500万円 × 法定相続人の数
計算例
適用の要件
- 保険金の受取人が相続人であること(相続放棄をした方や相続人以外の方が受け取った場合は非課税の適用なし)
- 被相続人が保険料を負担していた生命保険であること
- 法定相続人の数には、相続放棄をした方も含めます
注意点
- 契約者・保険料負担者が被相続人以外の場合は、受け取った保険金に対して所得税や贈与税が課税される場合があります
- 法定相続人以外の方(孫や内縁のパートナーなど)が受取人の場合は非課税枠が使えません
死亡退職金の非課税
退職手当金等のうち一定額が相続税の対象外になる制度
制度の概要
被相続人の死亡によって支給される退職手当金、功労金、その他これらに準ずる給与は、「みなし相続財産」として相続税の課税対象になりますが、生命保険金と同様に一定額が非課税となります。
非課税限度額
500万円 × 法定相続人の数(生命保険金の非課税枠とは別枠)
適用の要件
- 被相続人の死亡後3年以内に支給が確定したものであること
- 受取人が相続人であること
- 弔慰金については、業務上の死亡の場合は賞与を除く普通給与の3年分、業務外の場合は6ヶ月分までは非課税
配偶者の税額軽減
配偶者の相続税負担を大幅に軽減する制度
制度の概要
配偶者が相続する財産について、法定相続分または1億6,000万円のいずれか大きい金額までは相続税がかからない制度です。「配偶者控除」とも呼ばれます。配偶者は被相続人と生活を共にし、財産形成に貢献してきたことや、今後の生活保障の観点から設けられた制度です。
控除額
適用の要件
- 法律上の婚姻関係にある配偶者であること(内縁関係は対象外)
- 相続税の申告書を提出すること(税額が0円でも申告が必要)
- 遺産分割協議が成立していること(未分割の場合は原則適用不可。ただし「申告期限後3年以内の分割見込書」を提出することで後日適用可能)
注意点
- この制度を使って相続税が0円になっても、必ず相続税の申告が必要です
- 配偶者の税額軽減を最大限に活用すると一次相続の税額は少なくなりますが、二次相続(配偶者が亡くなった時の相続)で子の税負担が重くなる場合があります。一次相続・二次相続の合計で最適な分割を検討することが重要です
- 婚姻期間の長短は問われません
債務控除・葬式費用
被相続人の借金や葬式費用を遺産総額から差し引ける制度
制度の概要
相続税は「正味の遺産額」に対して課税されます。被相続人が残した債務(借金など)や、相続人が負担した葬式費用は、遺産総額から差し引くことができます。これにより、実質的に取得した財産に対して公平に課税されるようになっています。
債務控除の対象となるもの
- 被相続人の借入金(住宅ローン、事業資金など)※団体信用生命保険で弁済されるものを除く
- 未払いの所得税・住民税・固定資産税・事業税
- 未払いの医療費・入院費
- 未払いの公共料金(水道・電気・ガスなど)
- 事業上の未払金・買掛金
- 預かり敷金・保証金(賃貸不動産を所有している場合)
葬式費用として控除できるもの
- 通夜・告別式の費用
- 火葬・埋葬・納骨の費用
- お布施・読経料・戒名料
- 遺体の搬送費用
- 通夜の際の飲食費用
- 手伝いの方へのお礼(心付け)
葬式費用として控除できないもの
- 香典返しの費用
- 墓地・墓石・仏壇・仏具の購入費用
- 初七日・四十九日などの法要費用
- 遺体の解剖費用
注意点
- 債務控除を受けられるのは、その債務を実際に負担する相続人(包括受遺者を含む)です
- 相続放棄をした方は、原則として債務控除を適用できません(葬式費用は例外として控除可能な場合があります)
- 保証債務は、原則として債務控除の対象外です(主たる債務者が弁済不能で、求償権の行使も不能な場合は対象)
相続手続きの期限一覧
主な相続手続きの期限をまとめて確認
概要
相続に関する手続きにはそれぞれ期限があります。期限を過ぎると罰則や不利益を受ける場合がありますので、早めの対応が重要です。
主な期限
注意点
- 期限を過ぎた場合の相続税は、延滞税や加算税が発生します
- 相続放棄の期限(3ヶ月)は延長申立てが可能ですが、早めの判断が推奨されます
- 遺産分割協議には法律上の期限はありませんが、相続税の申告期限までに成立していないと各種特例が適用できない場合があります
このページの内容は、一般的な情報提供を目的としたものであり、個別の税務・法務アドバイスを構成するものではありません。 実際の相続手続きにおいては、個々の状況に応じて適用される法律・税制が異なります。
具体的な手続きや申告については、税理士・司法書士等の専門家にご相談ください。 当サービスでは、ご注文後にマイページから専門家にご質問いただけます。
掲載内容は2024年4月時点の法令に基づいています。最新の法改正により内容が変更されている場合があります。